※画像は、2015年8月、苫小牧市の沖合で捕獲された、体長1メートル72センチのヨシキリザメです。
苫小牧漁業協同組合(吉田政芳組合長)は今年のサメによるものとみられる漁具被害が、8月末時点でカニ籠で916個、カレイ刺し網で229枚に上るとの調査報告書をまとめた。
8月中旬に体長2メートルを超えるヨシキリザメがカニ籠と一緒に捕獲されたことなどを受け、同漁協所属漁船の船長など代表者35人に、8月24~31日の期間でアンケートを取った。調査報告書によると、網が食い破られるなどサメによるものとみられる被害について、9割の32人が「今年は特に多い」と回答。時期に関しては7割の25人が、7~8月と答え、5月と回答した漁業者も4人いた。被害(複数回答)に遭ったのは毛ガニ籠漁(30人)、カレイ刺し網漁(8人)の他、タラ刺し網(1人)、メヌキ刺し網(同)。毛ガニ籠漁(7月15日~8月25日)では、150個のカニ籠が壊れたとする漁業者もいた。同漁協は春先の被害については、アブラツノザメによるものである可能性を指摘。「漁獲対象にもなっている体長60センチほどのサメで例年に無く水揚げ量が多かった」(担当者)。漁業者から漁具被害に公的な補償を求める声も多く、同漁協は「道への要望を含め、関係機関と対策を協議したい」としている。