【釧路】釧路市立博物館は2016年2月23日、釧路市知人町の砂浜に漂着したシャチの赤ちゃんの死骸を函館市の鯨類研究者に引き渡したと発表した。シャチの赤ちゃんは研究用に非常に貴重で、今後、全国の大学に送られ、研究材料として役立てられる。
死骸は市民が20日午後に発見して、同博物館に通報。22日に同博物館職員と、北大大学院水産科学研究院の松石隆准教授が代表を務める鯨類研究者らの団体「ストランディングネットワーク北海道」の調査員が回収し、函館まで運んだ。
同グループによると、シャチは体長2.2メートル、体重約120キロのオスで、生後1カ月以内とみられる。今回のように生後間もないシャチが研究機関に送られた記録は、2009年に九州に漂着した1例しかないという。
同グループでは、シャチの解剖を進めており、鯨類や鯨類の体内にある化学物質を研究している北大をはじめとする各大学にサンプルとして譲渡する。松石准教授は「今回の漂着で、生態がまだ分かっていないシャチが、釧路沖で出産していることが分かった。親子間での汚染物質の影響など、子どもならではの研究に役立つはず」と期待する。(山崎真理子氏)
2016年2月24日 16:00のどうしんウェブの記事
■発見時の記事はこちらです。↓
※関連記事:体長2.2mのオスのシャチの死骸が漂着 釧路市 海岸 2016年2月20日 ストランディングネットワーク北海道より
■ 今回のシャチについて、釧路市立博物館ツイッター内容より
博物館に「浜にイルカらしきものが打ち上げられている」と市民から連絡があり、シャチの幼体であることを確認しました。研究団体と協議し、22日朝に当館とストランディングネットワーク北海道で回収し、研究のため函館に移送しました。
ストランディングネットワーク北海道によって、死亡原因や生態解明など調査研究が進められています。調査結果は、博物館でもお伝えしていきたいと思っています。今回のことが、釧路の海について考えるきっかけになればと思います。
※下記、釧路市立博物館ツイッター内容、2016年2月24日より
(続き)目下、ストランディングネットワーク北海道によって、死亡原因や生態解明など調査研究が進められています。調査結果は、博物館でもお伝えしていきたいと思っています。今回のことが、釧路の海について考えるきっかけになればと思います。 pic.twitter.com/Tpcgllquae
— 釧路市立博物館 (@kushiro_museum) 2016, 2月 24
※参考: 釧路市立博物館HP