背びれを見せつけるように船の間近で泳ぐシャチ 「天然の水族館」釧路観光に新機軸 どうしんウェブ 2015年11月22日

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釧路観光
背びれを見せつけるように船の間近で泳ぐシャチ(左)に歓声を上げる乗客=2015年11月3日(小川郁子氏撮影)

 【釧路】船と競うように泳ぐカマイルカ、豪快に潮を噴くマッコウクジラ、海の王者シャチの群れ―。釧路沖には10~11月、鯨類が次々と姿を現し、さながら天然の水族館のようだ。国内でシャチの群れを洋上観察できるのは道東の一部に限られ、釧路では「クジラウオッチングを新たな観光資源に」との機運が高まっている。

 「1時、斜めのブロー発見。マッコウかもしれない」。釧路沖40キロ、観光船の上で双眼鏡を手にした海洋生物調査員の笹森琴絵さん(52)が叫んだ。

 船は右斜め30度、時計の1時の方向に急進。マッコウクジラの噴気孔(鼻の穴)から吹き上げるブロー(霧状の息)が、太陽光を受け虹色に輝いていた。クジラは船を気にせず悠然と10分間、ブローを出し続けた後、海面からしっぽを突き出し海に潜っていった。

 釧路沖と同様、シャチを洋上観察できる根室管内羅臼町の沖合では、複数の民間業者が観光船を運航し、年々人気が高まっている。釧路沖でも観光船による体験型観光の可能性を探ろうと、JTB北海道(札幌)がさかまた組の協力を受けながら、11月3~5日の3日間、クジラウオッチングのモニターツアーを初めて実施した。

 延べ約60人が乗船し、鯨類との出合いを連日楽しんだ。釧路管内白糠町のアマチュア写真家土野満さん(68)はシャチの群れやじゃれ合うキタオットセイを撮影。「定期船があればもっと撮れるのに」と期待感を口にした。(釧路報道部 小川郁子氏)
※どうしんウェブより

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