※2016/06/28 に公開、Monterey Bay Aquariumより
■新型のカメラをホホジロザメに取り付け、ホホジロザメカフェに初めて潜入
この動画は、2016年6月28日にモントレー水族館が投稿したもので、初めてシャークカム(サメのカメラ)を、サメに取り付けて撮影された模様を公開しています。
2002年に、科学者が初めてサメにタグを取り付けて、彼等がカリフォルニア付近で2~3ヶ月過ごした後、その残りの期間行く場所を特定した結果、サメは、カリフォルニア海岸でアザラシやアシカを捕食して半年過ごした後、太平洋の中央付近にあるホホジロザメカフェ(White Shark Cafe)に向かうことが分かりました。
一部のホホジロザメは遠方ハワイから半年前の12月に出発して来ていました。(ハワイでは、ザトウクジラの子どもや胎盤組織を好んで捕食しています。)
ホホジロザメは、毎年、冬の時期2~3ヶ月間、ホホジロザメカフェと呼ばれるアメリカ西海岸とハワイの中間地点に留まるようですが、その生態は未だよく分かっておりません。
科学者は、これらのサメがカリフォルニア半島の沿岸で1年の内の一時期を過ごした後、ホホジロザメカフェに移動するときに、パートナーを探しているのだと考えています。
生物学者であり、カリフォルニアにあるモントレー水族館の研究者でもあるSal Jorgensen氏は、
「私は、彼等ホホジロザメが、ホホジロザメカフェというミステリアスな場所で一体何をしているのか知りたい。」と彼はモントレー水族館の投稿動画で述べています。
彼等がホホジロザメカフェで捕食をしているとも考えられますが、そこは、科学者から言えば、「海の砂漠(ocean desert)」と呼ばれ、生き物や海藻はあまりない海域です。
それなのに、そこでサメ達はパートナー探しやパートナーとの時間を費やしていると科学者は考えているのです。
ホホジロザメカフェに集まる、これら巨大なホホジロザメの調査のため、Jorgensen博士は、世界最新耐久ビデオカメラシステムの開発をするために、モントレー水族館研究チームのエンジニアの援助を得ました。
その装置を、ホホジロザメの背ビレに取り付け、何ヶ月にも渡って海から衛星信号を科学者に送り、情報を収集できるようにします。
それは、まるで火星探査のようなものだとJorgensen博士は言います。
この装置は、小型でサメの背ビレに取り付けが簡単な上、カメラは、最大9ヶ月耐えうる高い耐久性で、ライトが点き、水深・水温・サメの移動スピードなどを計測できます。
言わば、ソーシャル万歩計みたいなものだと、カメラ開発のソフトウェアエンジニアのThom Maughan氏は述べています。
装置は、10時間録画できるバッテリーでデータ処理と保存機能を持ち、暗い深海と水圧に耐えなければいけません。
そして、この装置は、Jorgensen博士が今まで見たことのないサメの最もミステリアスな行動を動画で自動収集できるようにしました。
調査の結果、
「オス達は、時折、ホホジロザメカフェで、水深約200mの位置で垂直に上下に泳ぎ、これを1日に150回も繰り返しています。こんなホホジロザメの奇妙な行動は初めて見た。」とJorgensen博士は言います。
また、カメラ開発のThom Maughan氏は動画で、ホホジロザメの捕食行動は積極的で、彼等は海底を見下ろしながら時速約40km以上(時速25マイル)で進んだり、その辺で留まってみたりしていたとも述べています。
今回の調査は、サンフランシスコ海岸沖ファラロン諸島(Farallon Islands)や南アフリカの海岸で、サメにタグを取り付けテスト試行した映像です。 なお、モントレー水族館によると、本テスト試行は、多くのホホジロザメがカフェに向かう12月か1月になりそうだとのことです。
(2016年7月1日のThe Christian Science Monitor記事翻訳&映像より通訳)
※The Christian Science Monitorより
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