カマストガリザメかハナザメ サメが群がる「狂乱索餌」の動画が話題に 50匹を超えるサメがまるで「沸騰」、米フロリダ州の人気ビーチの波打ち際で 2015年11月22日 

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※2015/11/22 に公開

  2015年11月22日、米国フロリダ州パナマシティーのビーチを訪れていた一家が、B級ホラー映画のような光景に出くわした。サメの「狂乱索餌(きょうらんさくじ)」だ。

 ブレイク・ホイットローとタイラ・ホイットロー夫妻は、その様子をビデオで撮影し、「私たちがこれまで見たなかでいちばんクレイジーな光景」という言葉を添えてYouTubeにアップした。アラバマ州ハンツビル在住の夫妻が地元メディアAl.comに語ったところによると、ゴムボートで遊んでいた4人の子供たちは、50匹から60匹のサメが浅瀬で激しく跳ね上げる水しぶきにすっかり怯えていたという。


 サメを専門とする米ノースカロライナ大学チャペルヒル校の生物学者フランク・J・シュウォーツ氏は、サメはそういう魚だと言う。


「サメは『せっかくここまで魚を追いかけてきたけれど、近くに人間がいるから逃げなくちゃ』などとは考えません。ひたすら魚を追いかけます」


 タイラさんはAl.comに、子供たちは浜に上がると安心したようで、「長男は水族館でも映画館でもない場所でサメを見られるなんて最高だと喜んでいました」と語った。


 さすがのシュウォーツ氏も、この動画だけでは何という種類のサメか分からないという。光の加減があまりよくなく、サメを見分けるヒントになる特徴が見えないからだ。フロリダ自然史博物館でサメの研究をしているジョージ・バージェス氏は、体長、体形、目撃地点などからして、カマストガリザメかハナザメではないかと言う。
カマストガリザメ
※カマストガリザメ
 メジロザメ属に属するサメの一種。世界中の熱帯沿岸の海・汽水に生息。2つの系統の存在が分かっており、西大西洋の個体群はその他から区別される。頑丈な流線型の体、尖った吻、鰓裂が長く、背鰭間に隆起はない。多くの個体で鰭の先端は黒い。全長1.5m。

素早い魚食性捕食者で、水上に跳び出すこともある。性格は臆病。年齢・性別ごとに群れを作る。普通は危険ではないが、餌があると人を攻撃することがある。商業漁業上の重要種である。(wikipediaより

ハナザメ
※ハナザメ(アクアワールド茨城県大洗水族館
 メジロザメ属に属するサメの一種。東太平洋を除く全世界の、熱帯から暖温帯の海洋に分布する。沿岸の浅瀬で見られる。カマストガリザメと似て、細い体と長い吻、鰭に黒い模様を持つが、第一背鰭の形と位置で区別することができる。最大で3mに達する。素早い捕食者で、群れで主に小魚を捕食する。捕食時には小魚の群れに回転しながら突入し、その勢いで水上に跳び出すことがある。胎生で、雌は2年毎に3-20匹の仔を産む。成長は比較的早い。餌で興奮した場合は人を攻撃することがある。肉は良質であるため漁獲され、ジャンプすることから釣り人にも人気がある。(wikipediaより

■浜に魚を追いつめる


 バージェス氏によると、このサメたちはボラの群れを追っているのだという。ボラはこの時期、岸の近くまで大規模な回遊を行い、空中に跳ねることもある。


 シュウォーツ氏は、サメの一般的な採餌行動について、「サメたちは餌になる魚のまわりをぐるぐると円を描いて泳ぎ続け、中心に集めていきます」と説明する。「魚を追い込んで浜に上げてしまうこともあります。サメたちは満腹になるまでこの行動を続けます」


 バージェス氏は、サメたちは互いに連携してボラを襲撃しているわけではないと言う。「それぞれが独立に動いているのですが、大規模なボラの群れは据え膳と言ってよいほど簡単に捕まるので、この方法で十分なのです」


 サメたちはしばしば、餌を捕まえやすくするために防潮堤などの硬い構造物や浜に魚を追い込む。これに対して魚たちは、囲いを突破したり、深く潜ったりしてサメから逃れようとする。


 動画では、浜にいる男性が砂に打ち上げられたサメに近づいていった。ホイットローさんはYouTubeのコメント欄に、この男性とは話をしなかったが、サメを押して水が深くなっているところまで逃がしてやろうとしたのだろうと書いている。


 サメはときに浜に打ち上げられることがあり、そうなると命にかかわるからだ。


 だがシュウォーツ氏は、狂乱索餌中のサメは非常に危険なため、海で見かけたらすぐに陸に上がらなければならないと忠告している。
文=Brian Clark Howard/訳=三枝小夜子
※ナショナルジオグラフィック日本版サイト2015年12月1日より


フロリダ パナマ・シティ・ビーチ1
※アメリカ、フロリ
ダ州、 パナマ・シティ・ビーチの場所

※参考:狂乱索餌(きょうらんさくじ)とは、

 魚類、おもにサメに見られる摂食行動のことで、集団が狂乱状態になりながら餌を食する状態のこと。
海中に多量の血が流れている、動物が騒音をたてている(特に苦悶時)などの場合に惹起されると言われている。原因は未詳だが、感覚器によって得られた情報が処理能力を超過して、オーバーフローに至ることによって惹起されるといわれている。ヨゴレやヨシキリザメでしばしば見られることが知られている。
 サメ以外の動物も、似たような行動例をとることが知られている。例えば、複数種の鳥が、タカなどの共通する天敵を集団で攻撃することがある。また、ナヤフクロウがセグロカモメの集団に襲われて殺されることもある。(wikipediaより

※関連記事:[海水浴場 騒然]イルカと思いきや よく見るとサメの大群!? アメリカ フロリダ 2015年11月22日

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