水族館飼育海洋生物の福祉めぐり、中国への譲渡に懸念 アンダーウォーター・ワールド・シンガポール閉館のお知らせ

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アンダーウォーター・ワールド・シンガポール

※画像、アンダーウォーター・ワールド・シンガポール2016年6月26日をもって閉館を知らせるホームページ:アンダーウォーター・ワールド・シンガポールHP

〈シンガポール〉

 海洋哺乳類の扱いをめぐり論争が巻き起こっている。リゾート・ワールド・セントーサ(RWS)で12年に開業したマリーン・ライフ・パークと13年に開業のドルフィン・アイランドでは飼育動物の死亡に悩まされ、動物の権利保護を呼び掛ける団体からはソロモン諸島海域で捕獲されたバンドウイルカ約20頭を自然に帰すよう求められている。
 近く閉鎖のアンダーウォーター・ワールド・シンガポール(UWS)は、イルカ、オットセイ、カワウソを世界最大の水族館である中国・珠海市の長隆海洋王国に譲渡したが、これも問題視されている。
 UWSは「長隆は世界で最も優れた設備の1つに数えられる水族館で、海洋哺乳類の世話では経験があり、保護にも熱心だ」としていた。
 しかし最近のメディア報道によると、「ホッキョクグマが狭い檻の中を行ったり来たりしている」「シロイルカが大きな音に合わせうなずく動作をしている」など、飼育動物の福祉に対する懸念が伝えられている。
 動物救護団体ACRESのボーパル副最高責任者は、飼育していた海洋動物を野生に戻す選択肢をUWSは検討すべきだったと主張している。
 水族館経営には野生生物の捕獲が必要で、野生に生息する生物の絶対数を減らすことになるとの懸念もある。
※2016年6月20日のシンガポール情報サイト AsiaXより
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