先輩2頭ともう仲良し 名港の新顔、雄シャチ「アース」 中日新聞 2015年12月19日

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名古屋 シャチ
※ステラ(左)、リン(右上)となじんで仲良く並んで泳ぐアース(右下)=名古屋市港区の名古屋港水族館で

 鴨川シーワールド(千葉県)から8日に名古屋港水族館(名古屋市港区)に来たばかりの雄のシャチ「アース」(7歳)が、飼育員も驚く早さで仲間2頭となじみ、3頭そろって仲良く泳いでいる。水族館はトレーニングの様子の公開も始めた。

 飼育員の神田幸司さん(39)によると、通常、新しい水槽に移ったシャチは、別の個体になれるまでに数週間から数カ月かかるとされる。関係が悪いと同じ水槽内でも離れていたり、逆に近づいてにらみ合ったり。

 ところがアースは、一足早く鴨川シーワールドから来ているステラ(推定二十九歳)が祖母にあたるせいか、最初から関係がスムーズに。最初に入った療養プールからアースを、自分たちが普段いる控えプールにステラが誘導する様子も観察できたという。

 アースは、ステラの娘で名港水族館生まれのリン(三歳)ともすぐ仲良くなり、一緒に遊ぶ時間が多い。来館者は、鴨川へ移ったリンの姉ラン(九歳)がいた時とほとんど変わらない、むつまじい三頭の様子が見られる。

 展示プールでの公開トレーニングでは、飼育員の誘導で三頭そろって水面に顔を出す姿が見られる日も。機嫌良さそうにジャンプする場面もあり、来場者はカメラを構えながら、アースが順調になじんでいる様子を見守っている。

 「数カ月単位でゆっくりならすつもりだったが、むしろシャチたちにせかされて公開した感じで順調すぎるほど順調」と飼育員の神田さん。「引っ越しの長旅の疲れが出ないか、急に環境が変わったことによる体調変化などがないか、注視したい」と話している。
(室木泰彦氏)
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