中川の化石“新鉱脈” 絶滅サメの完全な歯も 道外の研究者3人報告  2015年12月1日

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化石鉱脈の調査
※化石鉱脈の調査について発表する(左から)林さん、佐藤さん、中島さん

  【中川】アンモナイト、クビナガリュウなど中生代白亜紀の化石が発見されている町内で、新たな“化石鉱脈”が発見された。町内で9月3日に開かれた講演会(町教委主催)で、調査した研究者が「これだけ化石が密集して見つかる地層は中川では初めて」と強調した。

 「化石鉱脈発見! 中川町の化石研究最前線」と題して報告したのは、佐藤たまき東京学芸大准教授、中島保寿東大大気海洋研究所員、林昭次大阪市立自然史博物館学芸員。

 確認された化石鉱脈は、安平志内川とルベシベ川の河岸に露出した白亜紀後期(9千万~7200万年前)のれき岩層。厚さ80センチほどの層はアンモナイトの破片、魚の骨など多くの化石を含む。

 3人は8月29日に町内に入り、町教委が事前に収集した岩石計約1トンの一部を調べた。

 中島さんは現在のホオジロザメにつながる種やカグラザメの歯などの発掘を発表。安平志内川は浅い海、ルベシベ川は主に深い海にすんだサメの化石が出るとし「白亜紀後期の太平洋にいたサメの全体像を解明する第一歩になる」と力説した。サメの絶滅種スフェノダスの歯が完全な形で確認されたのは、国内初とみられるという。

 また、佐藤さんは爬虫(はちゅう)類と見られるあごの骨について「慎重に研究したい」とコメント。林さんは2・5センチほどの小骨が「(中川で発見された)クビナガリュウ、ウミガメとは違う特徴がある」と、新発見につながる期待を示した。

 今後、化石のクリーニングを進める町エコミュージアムセンターの疋田吉織学芸員は「研究の深まりに期待したい」と話した。(西野一弥氏)
※どうしんより

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