「即席ラーメンをジャケ買いした」と聞くと、パッケージにおいしそうな調理写真が載っていたのだろうと想像してしまうが、「札幌円山動物園ラーメン」のそれはわけが違う。「おいしそう」どころではない。一見ラーメンに見えないのだ。なのになぜジャケ買いしたくなるかというと、とにもかくにも可愛いのだ!
■味を知ってもらうために手に取りたくなるデザインを
札幌円山動物園ラーメンをプロデュースしているのは、北海道札幌市に本社を置くノースユナイテッド。世界中のおいしいものをより多くの人に知ってもらうべく、商品プランニングや卸をはじめとする、食に関するさまざまな事業を手掛けている会社だ。なお、「札幌円山動物園ラーメン」は各動物園・水族館などで1個単位で購入可能(価格は店舗で異なる)だが、通販でも販売している(1ケース10食入=税込1,944円)。
同社が札幌円山動物園ラーメンを世に発信したのは2008年のこと。きっかけは、長年親交があった藤原製麺(本社: 北海道旭川市)から、「どうすれば自社の乾麺が売れるだろうか? 」と相談を受けたことだったという。そこで思いついたのが、コーズ・リレーティッド・マーケティング(Cause-related marketing)。売り上げの一部を寄付に充てる、いわゆる「寄付つき商品」を販売することだ。
「当時、たまたま読んでいた『世界を救うショッピングガイド』という本から着想を得て、全国の動物園や水族館とのコラボを思いついたんです」。そう明かしてくれたのは、同社代表の高橋庸行さんだ。
いわく、「藤原製麺の乾麺は、誰もが一度食べたら必ずトリコになるおいしさだったんです。でも、いくらおいしくても、その商品を知らないと買うことはないですよね? そこでまず、どんなパッケージならお客さんに手に取ってもらえるかを考えました」とのこと。結果、誕生したのが、文字などの説明的要素を一切省いたシンプルなパッケージ。シロクマのデザインは、円山動物園からロゴを借りる形で仕上げていったという。
■白クマ以外に、パンダやゴリラ、ヤマネコ、シャチも!
高橋さんによると、プロジェクト立ち上げ当初、第一弾として商品化を考えていたのは上野動物園のパンダをモチーフにしたパンダラーメンだったという。ところが、最初に話に乗ってくれたのは地元・札幌の円山動物園。これが予想以上のヒットとなったため、第二弾の「上野動物園パンダラーメン」に続き、「京都市動物園ゴリララーメン」「福岡動物園ヤマネコラーメン」「大阪天王洲動物園タイガーラーメン」「鴨川シーワールドシャチラーメン」と合計6種類ものキュートな商品が誕生している。
しかも、札幌=塩、京都=しょうゆ、福岡=とんこつ、シーワールド=塩など、動物園の所在地や動物のイメージによって味を変えている点にも注目! さらに麺の太さにも違いがあるというので、気になる人は通販サイトを通じて全種類を食べ比べてみてほしい。
もちろん、売り上げの一部は各動物園・水族館の運営費に充てられているので、商品を購入すれば社会貢献できるのもポイント。おいしくいただくことで社会に貢献できるなんて、こんなにうれしい話はないではないか。
■『マツコの知らない世界』でも紹介
ちなみに、同シリーズのヒットには意外な人物も関与している。その人物は誰かというと、タレントのマツコ・デラックスさんだ。
「東京に出張していたある時、なにげなく『マツコの知らない世界』を観ていたら、うちの商品が出てきたんです。紹介してくれたのは、これまでにインスタント麺を一万食召し上がっているという、インスタントラーメン研究家の大山即席斎さん(=ラーメン即席斎)。彼が番組の中で、『これまでに食べた中で一番おいしいインスタントラーメンだ』と白クマラーメンを紹介してくれたんです」。
実際、オンエア翌日からは注文が殺到し、リピートしている人も数知れないという。パッケージの可愛さ以上に胸ときめくその味をぜひお試しあれ!
※マイナビニュース2015年12月20日より
※マイナビニュース2015年12月20日より
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