釧路沖で船上からクジラやシャチを探す参加者(野勢英樹氏撮影)
【釧路】海洋生物の調査や環境教育に取り組む専門家でつくる「さかまた組」(笹森琴絵代表)が24日、釧路沖のクジラやシャチを見に行く市民向けツアーを開催した。あいにくの天候で参加者は大型の鯨類とは出会えなかったが、貴重な海鳥やイルカを見ることができ、釧路の海の豊かさを再認識していた。
さかまた組は2008年から釧路沖で毎年、鯨類の調査を実施し、それに合わせてツアーを開催。釧路沖の魅力を発信している。
今年は24、25の両日にツアーを計画したが、25日は強風による高波で、27日に延期。24日は市民ら20人が参加したが、2メートルほどのうねりと闘いながらのツアーとなり、予定の半分の行程で引き返すこととなった。
それでも釧路港を出航後30分ほどでクロアシアホウドリやコアホウドリなど「海鳥マニアもこぞって見たがる貴重な鳥」(笹森代表)が参加者を出迎え。帰港直前にはネズミイルカが何度も姿を見せ、楽しませた。
札幌市厚別区から参加した小学4年の矢谷ひなたさん(9)は「ネズミイルカは背びれがちっちゃかった。しぶきをあげて潜るところも見られてうれしい」と笑顔だった。釧路市の公務員台野歩さん(43)は「1度は釧路沖でシャチを見たい。もう少しツアーが増えてくれればいいと思う」と観光面にも期待した。
笹森代表は「世界には85種類の鯨類がいるが、私たちは釧路沖で計12種類を見つけている。これは世界的にもすごいことで、皆さんにはこの海を大切にしてほしい」と参加者に語った。(鈴木誠)
※どうしんウェブより
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