※「おきのはた水族館」で有明海独特の魚たちに餌をやる観光客=福岡県柳川市
■エイリアン、靴底、三味線???
「有明海のエイリアン」と呼ばれるワラスボ、靴底のような形の魚クツゾコ、オオシャミセンガイは文字通り三味線の形-。有明海の独特な生き物を展示する私設水族館「おきのはた水族館」が福岡県柳川市にある。環境問題に取り組む市民グループ「有明海を育てる会」の近藤潤三会長(85)が「環境の悪化で珍しい生物がどんどん減っている現状を知ってほしい」と私費を投じて開設した。
25ほどの水槽に約50種類の生物がおり、餌やりもできる。大きな水槽には小型のサメやエイもいて迫力満点。漁具も展示され、近藤氏が昔ながらの漁法を解説してくれる。
近藤氏は元九州・山口地区魚市場連合会会長。地元で生まれ、有明海の干潟で遊んで育った。当時は海産物が豊富だったが、その後、極端に減少した。昭和の終わりになると、二枚貝のアゲマキが市場から姿を消し、続いていずれも二枚貝のウミタケやタイラギの水揚げがなくなった。「貝柱に黒点があるなど異常な貝も出てきた。人間の手で海が疲弊していくのを見ていられなかった」
アサリの不漁も続き、柳川市の観光会社は2年前から潮干狩りを中止している。スズキやエツなど魚も激減した。シタビラメの漁獲量は平成7年の100分の1という。
危機感から10年、地元漁師らと「育てる会」を結成。専門家とともに水質調査をしたり、清掃活動をしたりするようになった。多くの人に知ってもらおうと、5年前に水族館を開設した。
※産経ニュースより
※産経ニュースより