有明海の生物で水族館 環境保護訴え開設 2015年10月12日

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おきのはた水族館
※近藤潤三さんと、激減した有明海の海産物の展示=福岡県柳川市の「おきのはた水族館」

 「有明海のエイリアン」と呼ばれるワラスボ、靴底のような形の魚クツゾコ、オオシャミセンガイは文字通り三味線の形-。有明海の独特な生き物を展示する私設水族館「おきのはた水族館」が福岡県柳川市にある。環境問題に取り組む市民グループ「有明海を育てる会」の近藤潤三会長(85)が「環境の悪化で珍しい生物がどんどん減っている現状を知ってほしい」と私費を投じて開設した。

 25ほどの水槽に約50種類の生物がおり、餌やりもできる。大きな水槽には小型のサメやエイもいて迫力満点。漁具も展示され、近藤さんが昔ながらの漁法を解説してくれる。

 近藤さんは元九州・山口地区魚市場連合会会長。地元で生まれ、有明海の干潟で遊んで育った。当時は海産物が豊富だったが、その後、極端に減少。1980年代後半に二枚貝のアゲマキが市場から姿を消し、続いていずれも二枚貝のウミタケやタイラギの水揚げがなくなった。「貝柱に黒点があるなど異常な貝も出てきた。人間の手で海が疲弊していくのを見ていられなかった」

 アサリの不漁も続き、柳川市の観光会社は2年前から潮干狩りを中止している。スズキやエツなど魚も激減。シタビラメの漁獲量は95年の100分の1という。

 危機感から98年、地元漁師らと「育てる会」を結成。専門家とともに水質調査をしたり、清掃活動をしたりするようになった。多くの人に知ってもらおうと、5年前に水族館をオープンした。観光で訪れた青森県の看護学生佐藤環さん(39)は「有明海がこんなに深刻だったとは。干潟を見に行くまえにちゃんと勉強できてよかった」と話した。【共同】
※ 佐賀新聞より

■おきのはた水族館 

 柳川市の稲荷町地区、沖端水天宮のそばにある「おきのはた水族館」は、“有明海の生き物の生態と昔ながらの漁具を知って環境を守る意識を高めてほしい”という願いのもと、ご近所にお住まいの近藤潤三さんが私財を投じて作られた大変ユニークな水族館。館内は水槽約30基でおよそ40種の魚介類を紹介する1階と、有明海の旬な魚介類を提供する食堂とで構成され、市内ではここでしか見られない幻の魚エツをはじめ、ムツゴロウ、ワラスボ、タイラギなど柳川ならではの生き物を見られるほか、現在も干潟で用いられている珍しい漁具およそ100種がズラリと勢揃いするなど見所満載となっています!

※おきのはた水族館

営業時間 10:00~16:00(土・日曜日のみ)
料金 100円(高校生以下は無料)
定休日 月~金曜日
住所 柳川市稲荷町東北町29
お問合せ先 0944-72-2271(館長自宅)
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