※写真:マイナビニュースより
仲間同士でコミュニケーションを取ることがよく知られているクジラですが、実は“方言”のようなものがあるのだとか。一体どういったコミュニケーションなのでしょうか。
■クジラにも方言がある!?
日本各地には、その土地特有の“なまり”である、「方言」というものがあります。「なんでやねん!」でおなじみの関西弁に、「今なんしようと?」に萌える男子が続出中の博多弁、北の北海道弁から南の沖縄方言まで、あちこちの県や地域で、個性的な方言が使われています。
自分になじみのない方言を聞くのはとても楽しい経験になりますが、喋っている側からしてみれば子どものころから当たり前のように使っていたせいで、進学や就職で地元から出てから、自分の言葉がちょっと個性的で、あの言い回しが方言だったことに気づく、なんてことも多いようです。そんな個性的な方言ですが、実はクジラにもあると知っていましたか? 今回はクジラの秘密に迫ってみたいと思います。
■ラブソングを歌い続けるオスのクジラ
頭が良く仲間とコミュニティを作って生活する、社会的な生物だと言われるクジラ。その中でもマッコウクジラは、地球上のあらゆる生物の中で、一番大きな質量の脳を持っています。彼らは15頭くらいの群れで行動し、「コーダ」と呼ばれる、独特のカチカチした音でコミュニケーションを取り合っています。
デンマークにあるオーフス大学では、6年にも渡って、カリブ海で暮らすマッコウクジラとコーダの研究を続けてきました。その調査内容によると、クジラがコミュニケーションを取るとき、群れごとに特有の言い回しがあることが分かったのだとか。クジラたちは、海の中で、それぞれの「方言」で自己紹介をし合っているのかもしれませんね。
また、クジラは方言だけでなく、歌を歌うことでも有名です。ザトウクジラは、求愛のためにオリジナルソングを数時間、時には20時間以上も歌い続けます。クジラのオスは、ずいぶんとロマンチストのようですね。
群れで行動しながら、独自の文化を作り上げているのは、クジラだけではありません。シャチも「独自の言葉」を持っていますし、チンパンジーは道具のうまい使い方を教え合うといいます。何だか動物たちに親近感が湧きますね。
■謎の多い生物たちを研究して解き明かす
このように、動物の行動を行動パターンや心理学など、さまざまな角度から解き明かしていくのが「生物学」です。その対象は動物だけではありません。時には分子・遺伝子レベルの研究や、進化の解明など、研究対象は多岐にわたり、科学や農学、医学などの知識を組み合わせながら学んでいきます。
地球上に暮らす生物には、まだまだ謎が多いのが事実です。例えば、私たち人間は、思いもよらぬことで動物たちにストレスを与えていることがあります。例えばクジラの場合、人間による海中の騒音によって彼らのコミュニケーションを妨害してしまい、発育不全や生殖能力低下につながるといいます。
生物学の研究により、こうした事実を多くの人に知ってもらうことで、絶滅の危機にある生物を守ることにもつながっていくのです。
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(2016年4月8日の記事)
※マイナビニュースより
(2016年4月8日の記事)
※マイナビニュースより