太平洋のメキシコとハワイの間に、ホホジロザメが集まってくる海域があることがこのほど明らかになった。発信機を取り付けたホホジロザメの個体の動向を研究者らが衛星画像で分析し、「根城」とも呼ぶべき海域の存在を突き止めた。
研究者らはカリフォルニア州中部の沖合で発信機を装着。複数のサメを追跡した画像が示したところによると、メキシコとハワイの間に位置する海域に個体が集まってくることが分かった。海域の広さはコロラド州とほぼ同等で、これまでの衛星画像の分析では野生生物のほとんど住まない「海の砂漠」とみなされていた。
研究者らはこの海域を「ホホジロザメのカフェ」と呼んでいる。
追跡を終えた後発信機はサメの体を離れ、海面に浮かび上がる。研究者らはこれを回収し、様々なデータの解析に活用する。当該の個体が潜った海の深さや海水温、水圧、明るさなどのデータを集めることができるという。
米スタンフォード大学の海洋生物学者、バーバラ・ブロック氏は今回のタグを使用した調査法に言及し「ホホジロザメの潜水行動や環境選択性に関して、過去20年かけて集めた現在のデータがわずか3週間で2倍に増えた」と語った。
研究者らはこれらのデータの分析を通じ、サメがなぜこの海域に集まるのか、エサのためなのか交尾のためなのかを明らかにしたいとしている。
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