船舶よりシャチの通行優先? カナダ海洋保全計画

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2016年11月8日のctvnewsの記事によると、カナダ政府は、海洋保全計画の15億カナダドル(日本円で約1,172億)の一部をシャチの保護にも適用すると発表しました。

カナダ海洋保全計画(National Oceans Protection Plan)は、船舶輸送や海洋生態系の回復などの世界をリードする海洋安全システムの構築、先住民と強固な協力をしながら、石油流出浄化研究を決定実行していくという歴史的な計画ですが、シャチの生息域保護については、11月7日の時点でコメントがありませんでした。

この海域は、以前からキンダー・モーガン社のパイプラインの敷設が予定されており、住民は、パイプラインの拡張が石油流出汚染を招き、たとえ流出がなかったとしても、タンカーとの衝突など、パイプラインの存在自体が、シャチを絶滅に追いやる要因として、政府の石油パイプライン拡張計画承認に反対抗議をしてきました。また、環境保護団体は、提案された石油パイプラインの輸送ルートが、シャチを傷つけるとして計画に反対していました。

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※写真、2016年11月7日、シャチの着ぐるみを着て、キンダー・モーガン社の石油パイプライン拡張計画に抗議する人々、Elizabeth McSheffrey氏撮影:nationalobserver

今回の政府の海洋保全計画におけるシャチの保護適用は、この抗議に対応する為だと思われます。

環境大臣政務官のJonathan Wilkinson氏は、カナダ海洋保全計画には、ブリティッシュコロンビア州のPort Hardyなどの石油流出対策も含まれているとのことですが、このシャチ保護計画は、来月12月に政府が承認予定のキンダー・モーガン社の石油パイプライン拡張計画(Kinder Morgan’s Trans Mountain pipeline expansion project、Alberta州からMetro Vancouver港まで)とは無関係であると述べています。

環境大臣政務官のJonathan Wilkinson氏は、カナダ政府は、今後5年間に、3億4,000万カナダドル(日本円で約266億)を、絶滅に瀕している南部のシャチの重要な生息域の改善に使われるとも付け加えています。

2016年11月8日、環境大臣政務官のJonathan Wilkinson氏は、絶滅に瀕している南部のシャチの重要な生息域において、食料源である鮭を保護するための石油流出防止策と、船舶航行における騒音改善などが、この海洋保全計画に含まれていると述べました。

この海域のシャチは、2年前に発表されたアメリカの10年に渡る研究において、汚染・船舶騒音・食料源の問題で、推定80頭を超えることは不可能だということです。

しかしながら、アメリカ海洋大気庁(NOAA)によれば、2015年シャチのベビーブームで8頭産まれて生息数が回復傾向にあることから、専門家がこの地域のシャチを考慮していないと指摘しています。


このシャチ保護政策の具体的内容としては、カナダ自由党議員によると、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州都ビクトリア付近の西海岸では、カナダ海洋保全計画に基いて、シャチの通行を船舶より優先させると述べています。

カナダのビクトリア大学の学長であるKate Moran氏は、バンクーバー港で船舶の航路や騒音データを収集している学部があり、その施設は、データ収集に沿岸警備隊員とも協力しており、船とシャチの位置が確認でき、試行では、船舶に警報を直接送れると述べています。また、Jonathan Wilkinson氏は、大学の研究が船舶航路において、シャチの居場所を知らせて航行回避のアドバイスが可能と述べています。


(2016年11月8日ctvnewsの記事翻訳編集)

※参考:2016年11月7日nationalobserver

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『船舶よりシャチの通行優先? カナダ海洋保全計画』へのコメント

  1. 名前:Jim 投稿日:2017/02/03(金) 08:59:12 ID:07a5e128e 返信

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