※写真、メスのシャチが死んだ子どもを自身の身体に乗せて運ぶ様子
アメリカのシアトルとカナダのバンクーバーの間にあるサン・ファン諸島沖(San Juan Island)個体番号:L72
PHOTOGRAPH BY ROBIN W. BAIRD, CASCADIA RESEARCH:nationalgeographic
研究者である著者によると、鯨類は人間のように自分たちの子どもの死を深く悲しみ、なおかつ、彼等は死骸を連れて泳ぐことが間違っているとわかっていても敢えてそうしているそうです。
鯨類は知能が高いことで知られていますが、彼等には感情と親としての本能もあることがわかってきました。
哺乳類の情報誌、the Journal of Mammalogyによると、少なくとも7種類のハクジラ類(シャチ、マッコウクジラ、コビレゴンドウ、イルカ4種)については、自身の子どもが亡くなった時、死骸に寄り添い連れて泳いだりするという、死を悼む感情的行動があることがわかったそうです。
ナショナルジオグラフィックの報告で、著者のMelissa Reggente氏は、彼等は心の痛みやストレス状態になり、また、彼等は、それらの行動を間違っているとわかっているということです。
また、これら海洋哺乳類の他にも、象、キリン、チンパンジーなどの動物でも深く悲しむような行動が目撃されているとも付け加えています。
科学者が非公式に進めてきた研究では、これら7種類の鯨類が死を悼む行動について、3つの海上でそれぞれ別の研究者が調査をしました。
例えば、紅海での調査で、ミナミバンドウイルカが小さな死骸を連れて泳いでいるのが目撃されました。
他には、メスのシャチが、生まれた子どもの死骸を口に咥えて運んでいるのが目撃されました。
研究者によると、これらのケースは、親が子どもの死を深く悲しんでいる、もしくは、おそらくそれに類似した行動であるといいます。
このような行動は、単なる好奇心や、世話をするという本能の切り替えができないことからしているのかもしれませんが、
ナショナルジオグラフィックは、このように死骸を連れて泳ぐ鯨類は、食事もせず、仲間との関係も維持できないので、命が危険にさらされていると指摘していますが、
研究者が言うには、長生きで高い社会性と結束が強い哺乳類において、親が子どもの死を悼むことは普通の事であり、世界の広範囲でみられる行動であるという事実から、この研究の信憑性は高いということです。
(2016年7月21日のNewser記事翻訳)
※Newserより
※Newserより
※参考:
・nationalgeographic
・参考動画【閲覧注意】:イルカが子どもの死骸を運ぶ動画https://www.youtube.com/watch?v=ymgfO_xckLs