シャチの生態を紹介 名港水族館で飼育員、動きに合わせ解説  2015年10月21日

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名古屋 シャチ
※シャチを目の前で観察しながら飼育員の説明を楽しめる解説タイム=名古屋市港区の名港水族館

 名古屋港水族館(名古屋市港区)は、シャチを観察しながら飼育員が生態を紹介する新たな解説タイムを始めた。母親と娘姉妹の三頭が繰り広げるドラマを通して生態を理解するチャンスになりそうだ。

 解説は、北館二階のシャチ展示プール前で平日午前十時四十五分から約十分。飼育員が日替わりでマイクを握り、その日のシャチの動きに合わせて話す。
 シャチは体長五メートル超の母親ステラ(推定二十九歳)、娘の姉ラン(九歳)、十一月十三日に三歳になる甘えん坊の妹リンの三頭。ジャンプなどトレーニングする姿を連日公開しているが、それ以外の場面も見てもらおうと企画した。
 シャチはプールの壁に近づき、来館者の様子を興味深そうにのぞき込むしぐさを見せるときもある。三頭そろってじゃれ合う日もあれば、機嫌が悪く隣のプールに入ったまま出てこない場合もあるという。
 飼育員の神田幸司さん(39)によると、ランが妹リンにちょっかいを出すと、リンが怒って姉妹げんかに発展し、母ステラが怒って三頭とも機嫌が悪くなることがある。解説はそんな間柄も含まれるため「より身近に感じてもらえるのではないか」という。
 離乳期を過ぎたはずのリンがいまだに母乳を欲しがる甘えん坊ぶりや、体をこすって出るアカの量で体調のよしあしが分かったり、えさのサバやニシン、ホッケを一日五十キロ以上、多い日は七十キロ食べたりすることなども説明。神田さんは「運が良ければトレーニング後に授乳シーンも観察できる。シャチの動きに合わせた解説を心掛けます」と話す。
 来年三月まで月一回日曜に別室で飼育員が二十分間さらに詳しく解説するレクチャー(四歳以上は入館料と別に五百円)も開催。解説タイムは入館料(高校生以上二千円、小中学生千円など)のみ。(室木泰彦)2015年10月21日
※中日新聞より
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