海の家「サメが出ないこと祈る」 茨城

スポンサーリンク

茨城 サメ

2015年夏教訓、サメ対策、安全アピール

 県内7市町の海水浴場が2016年7月16日に一斉に海開きするのを前に、昨夏の“サメ騒動”を踏まえ、ひたちなか市と大洗町が沖合に網を張り巡らす防護策を進めているほか、鉾田、鹿嶋、神栖各市の海水浴場が監視態勢を強化するなどの対策を講じる。今年はこれまでにサメの目撃情報などはないものの、万全の備えで安全性をアピールする。一方で、昨シーズンの一時遊泳禁止などで打撃を受けた海の家の関係者は「(サメが)出ないことを祈るしかない」と気をもんでいる。

<いち早く対応>
 県内最大の海水浴客を誇る大洗町。今年は対策費約1千万円を当初予算に盛り込み、いち早く対応した。町漁協が独自の網を仕上げ、11日までに大洗サンビーチなど全ての海水浴場の遊泳区域を囲むように設置した。海の家の女性(71)は「早めに対策をしてもらって安心」と、集客に期待を寄せる。

ひたちなか市も海開きまでに防護網を設ける予定。阿字ケ浦海水浴場の海の家の男性(61)は「(昨年のサメ騒動)直後は売り上げがゼロに近かった。客が不安がるので触れたくない」と複雑な表情。家族で海水浴に来た千葉県柏市の男性(27)は「子どもを海に入れるのは怖いので対策はありがたい」と話した。

<イメージ回復を>
 鉾田市以南3市の海岸は、地形や潮の流れから防護網の設置が困難なため、別の対策で安全を確保。同市は大竹海岸の水上バイクを更新し、神栖市も日川浜と波崎の2海水浴場にそれぞれ2台を配備する。

 大竹海岸の海の家の女性(85)は「去年は散々だった。(サメが)出ないことを祈るしかない」と、不安は大きい。日川浜の関係者も「無事にシーズンが終わってほしい」と願う。

 鹿嶋市では、ライフセーバーによる陸上での監視のほか、新たに鹿島灘漁協の漁船による海上での監視を加えた。市商工観光課によると、平井海水浴場の海の家は昨年の売り上げ減から、今年は出店を見合わせるという。「(昨年の)サメによるイメージダウンを払拭(ふっしょく)したい」と、担当者は安全態勢をアピールする。

<むやみに恐れず>
 昨夏は全国複数の海岸でサメが目撃され、海水浴場の遊泳禁止が相次いだ。アクアワールド県大洗水族館によると、サメが人間をエサと認識して襲うことはまずないと指摘する。ただし、ウミガメなどほ乳類を食べる数種類のサメが、エサと勘違いして襲ってしまうケースがあるという。

 同館魚類展示課の担当者は、サメに遭遇した際の対処法として「血の臭いをさせたり、バシャバシャと暴れたりするなどサメを興奮させないことが必要」とし、「絶対はないが、むやみに恐れる必要はない」と説明した。

<県内18海水浴場 放射線濃度「問題なし」>
 海開きを前に、県は14日、県内18海水浴場の海水の放射性物質濃度と砂浜の放射線量の調査結果を発表した。海水は全地点が未検出で、砂浜の放射線量は0.04~0.06マイクロシーベルトと問題ない水準だった。2016年度4回目の調査で、6月21日~7月7日に実施した。
※2016年7月15日の茨城新聞より

※関連記事:万全の態勢 サメ防護網設置 大洗サンビーチ海水浴場 茨城
※関連記事:サメ対策で防護網設置へ 阿字ケ浦海水浴場、平磯海水浴場、大洗サンビーチ、大洗海水浴場 茨城
※関連記事:茨城県内4つの海水浴場でサメの侵入防ぐネット設置 茨城

スポンサーリンク
関連