水族館の水槽は、水が一杯入ってるのに割れないのはどうして? 2015年11月16日

スポンサーリンク

マイナビ サメ

 巨大水槽を見るたびに「どうして割れないのかな?」と疑問を感じませんか?

みなさんの中には、魚を飼っていたことがある人がいるかもしれません。経験がない人は知らないかもしれませんが、水槽に小型の魚やエビを入れて飼育していると、時間がたつとどうしても水槽の水が濁ってきてしまうので、定期的に水を交換しなくてはいけないのです。そのたびに毎回大量の水を組み出しては新しく水槽に入れ替えます。

水槽に並々と入れると、水でも相当の重さになります。よく考えたら、そんな量の水が入っているのに割れない水槽って、なんだか不思議ですよね 例えば、水族館のサメやエイが入っているような巨大水槽は、とんでもない量の水を支えています。それなのに、いったいどうして水槽は割れないのでしょうか?

ジンベイザメの水槽の厚さはなんと……!?

水族館の水槽は、昔は強化ガラスを使っていたこともあったようです。しかし、強化ガラスは加工するのには不向きで、何枚も重ねたり金属とつなぎ合わせたりすることで、観やすさを邪魔してしまうこともあり、徐々に使われなくなって行きました。代わりに登場したのがアクリル樹脂でできた「アクリルガラス」です。ガラスといっても透明度の高いプラスチック材でできており、強化ガラスよりも耐久性に優れ、割れる心配もありません。例えば、ジンベイザメがいることで有名な「沖縄美ら海水族館」、高さ8.2m、幅22.5mの巨大水槽は、なんと厚さ60cmのアクリル樹脂でつくられており、巨大水槽にかかる大きな水圧や衝撃にも耐えられるようになっています。ちなみにこの水槽は「第1回のものづくり日本大賞」を受賞しています。

こんなにも強いアクリル樹脂が工業用に使われるようになったのは、今から約80年近く前までさかのぼります。非常に高い透明性とともに高い耐久性を持っていることから、軍事用に利用され、アメリカ空軍の主力戦闘機「F-15」の風防として使われていました。その後、いろいろな製品に使われるようになり、現在では水槽のほか、その撥水性を活かして浴槽やトイレにもアクリル樹脂が使われ出しています。

アクリル樹脂やセラミックなどの新素材についても金属・材料技術者の仕事

このようなアクリル樹脂などの材料を使った仕事を担当するのは、「金属・材料技術者」です。一概に金属といっても、鉄やステンレス、アルミやチタンなど種類はたくさんありますし、アクリル樹脂やセラミックなどの新素材についても金属・材料技術者が取り扱うこともあります。

金属・材料技術者は、企業の開発部門に所属して建物や製造物の材料の見極めや、新技術・新素材の開発などを行います。もしも身の回りで「この入れ物はこういう素材だったらどうなるのかなあ」と思うことがあれば、金属・材料技術者の仕事を調べてみると、興味がさらに深まっていくでしょう。日常で見かけるいろいろな素材に興味を持ち、見て、触ってみると、より関心が湧くかもしれませんね。

本記事は「マイナビ進学U17」から提供を受けております。
著作権は提供各社に帰属します。

※マイナビニュースより

スポンサーリンク
関連