※2014/12/05 に公開、アメリカ合衆国の飛地、アラスカでの水中映像です。
■ネズミザメ(地方名:モウカザメ)
全長3 m。ネズミザメ目ネズミザメ科のサメです。同ネズミザメ科には、アオザメやホホジロザメもいる。太平洋北部の亜寒帯海域に生息する大型の捕食者である。
特殊な筋肉系、循環系により体温を海水温よりも高く保ち、高速遊泳を行う。季節回遊を行うことも知られている。北部太平洋の亜寒帯海域を中心に分布し、ベーリング海やアラスカ湾、プリンス・ウィリアム湾などを主な生息地とする。日本近海では日本海やオホーツク海に現れる。寒冷な環境を好むが、回遊によってかなり南の海域まで進出することがある。最も低い緯度ではハワイ沖(北緯22°)まで南下した例が報告されている。他に、カリフォルニア州沿岸でも生息が確認されており、さらに南のメキシコ沿岸まで進出している可能性もある。
沿岸域・外洋域の両方に出現する。普段は海表面近くを遊泳するが、水深700 m 程度まで潜ることもある。また、亜熱帯海域では温度躍層を避けて、300 – 500 m 程度の深度を遊泳することが多いようである。サケザメやサーモン・シャーク “Salmon shark” の名の通り、サケを捕食することでよく知られている。またニシンも好んで食べる。寒い海に生息するので、人が襲われた記録はないものの、大型で獰猛なサメに入るので、危険な種である。サケ類を捕食するので、水産上の重要害魚という形で扱われることもある。
※ネズミザメの生息域の図