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古事記の「因幡の白ウサギ」がその背を渡ったのはワニであったかサメであったか。いまだ結論は出ていないようだが、『ジョーズ』の例を出すまでもなく、人食いザメの恐怖は古代から人間に刷り込まれている。
シュモクザメの大量遊弋(ゆうよく)に日本の海水浴客が震え上がったこの夏、アメリカではノース・カロライナ州沿岸でサメが人を襲い、全米を恐怖に陥れた。だが、9月16日、米・旅行雑誌が発表したのは意外な事実だった。「信じがたいことだが」と前置きされたその記事によると、今年8月までのサメによる死者は8名で、「自撮り」を原因とする死者の方が多いというのだ。
「スタンフォード大学の調査によると、そもそもサメに襲われる確率はサーファーで1700万回に1度、スキューバ・ダイバーで1億3600万回に1度だそうです」(科学部記者)
航空機事故や雷で死ぬ確率より遥かに低いのだ。
「ところが新語にまでなった“自撮り死”は8月までで12名を数えます。切り立った崖など、危険な場所で撮影しようとして誤って転落するケースが多い」(同)
ロシアの被害者が目立つ。
「鉄塔のてっぺんで自撮りしようとして転落死した17歳の少年、貨物列車の屋根に上って自撮りし、パンタグラフに触れて感電死した14歳の少女、ピンを抜いた手榴弾を手に撮影しようとして爆発、死亡する例など、無謀な若者の被害が止まりません」(ロシア在住記者)
ロシアの心理学者の調査では、危険を顧みず“傑作”自撮り写真を撮りたい若者が2人に1人に上るという。
「内務省は〈自撮りで死なないために〉という手引きまで発行しました」(同)
サメと自撮りしないよう呼びかける必要があるかも。