※写真はイメージです。
【アイ・ラブ・ニューヨーク】保護活動はイルカや鯨ばかり…かわいそうな象さん
リベラルな土地柄とあって、周りは動物愛護家だらけ。知り合いのニューヨーカーもその一人で「どうして社会は関心を持ってくれないのだ」と憤慨する。
このニューヨーカーは「アフリカ象の保護」に矛先を向けている。高額な象牙を狙った狩猟がアフリカの中央部で横行しているのだが、「米国人の反応が鈍い」。国際条約で象牙取引が全面的に禁止されているのに、「米国内の反密猟キャンペーンは盛り上がりに欠ける」そうだ。
米コーネル大学の象研究チームを率いるピーター・レッジ部長によると、「遠距離でも超低周波を用いて相互交流するなど、象ほど高い知能を持った哺乳類は珍しい」。同チームではこの超低周波をアフリカで収集することで、象の生態を解明したり、密猟の被害を把握しようとしている。
活動資金についてレッジ部長は多くを語らないが、前述のニューヨーカーは、「高い知能の動物保護でも、欧米ではイルカ・鯨の方がゾウの保護活動よりも人気で、資金支援も得やすい」と解説する。「支援格差」を数字で証明するのは困難だが、確かに、欧米メディアの報道を見る限り、イルカ・鯨の保護を主張する論陣の方が目立つ。
訓練すれば、象は絵がかけるほど賢いそうだ。なのに、マーケティング力で劣るのはなぜ?(松浦肇氏)
2016年2月25日 14:40【外信コラム】
2016年2月25日 14:40【外信コラム】