※サメ料理を勧める漁師の男性とドチザメ=横須賀市の新安浦港
※無国籍料理店が考案したスモークサメのチャウダー=横須賀市安浦町のネイロカフェ
横須賀市の新安浦港の漁師と地元商店が連携した「安浦サメフェスティバル」が1日、同市の安浦地区で始まった。食材にしにくいサメ料理を広め、地域の名物にするのが狙い。7日までの1週間にわたり、居酒屋、中華料理店、和菓子店など8店が趣向を凝らしたメニューを提供する。
サメフェスティバルは同港の漁師の男性(42)と安浦商店会の男性飲食店主(43)らが、同世代の有志に呼び掛けて実現した。ともに地元生まれで、商店街や漁業の衰退を案じ、かつてのにぎわいを取り戻そうと協力した。
食材のドチザメは、東京湾のマコガレイやヒラメ漁の際、底引き網や刺し網に掛かる。体長は大きくても1メートル超で、人を襲うことはないとされる。市場では売れず、網を傷めるため、漁師には歓迎されなかった。
サメにはアンモニア臭があり、処理が難しいことがネック。漁師の男性は、サメの血流を止める「神経じめ」というさばき方の後に流水にさらす方法を水産関係者から習い、臭みを減らした。
漁師の男性は「サメは三陸や西日本でよく食べられる。食材になれば漁師の収入につながる」。飲食店店主の男性は「淡泊な味で多様な調理法を楽しめる」と話す。
フェスに参加している8店は京急線県立大学駅近くの国道16号周辺にある。生ハム、薫製、スモークサメのチャウダー、フィッシュ&チップス、キッシュ、おやきなど多彩な味を提供する。