密漁品規制が遅れる日本 欧米など新協定2016年6月5日発効

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FAO

※写真、下記FAOツイッターより

 違法に漁獲されたマグロなどの水産物が流通するのを防ぐため、各国政府が不審な漁船に対する臨検や入港拒否などの取り締まりを強化する新協定が2016年6月5日に発効する。国連食糧農業機関(FAO)の担当者が30日明らかにした。

 違法漁業による世界の漁業資源の減少を食い止めるのが目的。米国や欧州連合(EU)など約30カ国が批准し、発効要件の25カ国を超えた。
 日本は2009年のFAO総会で採択に参加したが、国内対策の遅れから批准のめどが立っていない状況。世界有数の漁業国で、金額で最大の水産物輸入国である日本の取り組みの遅れに国際的な批判が強まりそうだ。
 発効するのは「違法・無報告・無規制(IUU)漁業の防止、抑制、廃絶のための寄港国措置協定」。違法な漁業活動に関わっている船舶を加盟国の港から締め出すことで、漁業資源の保全につなげる狙いがある。
 協定は、漁船や水産物の運搬船などが入港する港を持つ「寄港国」が、入港を希望する外国船に対し、いつどこで誰が取ったかを記した漁業記録や、積まれた水産物などの情報を事前に提供することを求め、疑わしい船について臨検を実施できると規定。密漁水産物や密輸品などが確認されれば入港を拒否することもできる。
 
 入港拒否した漁船の情報を加盟国が共有することで、各国が連携して規制を進める。対応能力が乏しい発展途上国を先進国が支援することも盛り込んだ。
 EUは11年に、米国は今年2月に批准。タイ、韓国、南アフリカなども批准している。FAOによると、批准国で世界の水産物輸入の62%をカバーする。
<違法・無報告・無規制(IUU)漁業> 
 国や国際機関が定める漁業規制を無視したり、必要な漁獲報告を行わなかったりする漁業活動の総称。公海を中心に世界各地で深刻化しており、漁業資源の減少の一因とされる。国連食糧農業機関(FAO)は「海洋生態系に対する最大の脅威の一つだ」と指摘。需要が高いクロマグロやウナギ、ヒレが高価で売れるサメなどが多くを占める。FAOによると、その規模は年間約2,600万トン、売り上げは約230億ドルに上る。日本の市場にもIUU漁業の水産物が入ってきているとみられる。
(2016年5月30日下記夕刊記事)
※東京新聞より

※参考:
・水産庁HP、EUのIUU漁業規則に関するQ&Aについて

■国際連合食糧農業機関(FAO)の概要

(The Food and Agriculture Organization of the United Nations)
・設立、1945年10月16日(日本は1951年に加盟)
・加盟国数等、196ヶ国(2準メンバ-を含む)及び欧州連合(EU)(2015年7月現在)
・目的
(1)世界各国国民の栄養水準及び生活水準の向上
(2)食料及び農産物の生産及び流通の改善
(3)農村住民の生活条件の改善
・事務局、本部、ローマ(イタリア)
FAO HP

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