時速80kmを74、65kmに減速など クジラ衝突対策 九州運輸局が高速船運航4社へ要請

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クジラ イメージ
※写真はイメージです。
九州運輸局1
※鯨類等との衝突に備えた水中翼型超高速船の安全対策について1(国土交通省九州運輸局HP)

九州運輸局2
※鯨類等との衝突に備えた水中翼型超高速船の安全対策について2(国土交通省九州運輸局HP)

■上書類の詳細

<1枚目> 
N e w s R e l e a s e 国土交通省九州運輸局 平成28年3月10日
鯨類等との衝突に備えた水中翼型超高速船の安全対策について
 九州運輸局管内では、昨年来、鯨類等の海中生物と水中翼型超高速船(ジェットフォイル)が衝突する事故※1が続いています。このため九州運輸局では、安全性の向上に向け、対象事業者にヒアリングを行った上で、この種の事故発生の減少及び事故発生時の被害軽減を目的とし、対策事項を取りまとめました。この対策事項をもとに、本日付で水中翼型超高速船運航事業者に対し、次の1~5の事項について実施を指導するとともに、6~8の事項について必要な情報を伝達するための通知を発出しました。
[記]
1.ターミナル出発前の注意喚起の実施(海中生物目撃情報、遅延発生)
2.危険海域※2における、35ノット(65km/h)での減速航行
3.経験的に海中生物が目撃される頻度が高いと思われる時期の、巡航速力を通常の
  43ノット(80km/h)から、40ノット(74km/h)以下へ減速
4.危険海域に入る概ね10分前、船内放送による安全対策を旅客へ周知
・ 確実なシートベルト装着の再確認
・ 船内移動の原則禁止(トイレ等を含む)
・ 乗員の着席による船内サービスの一時停止
5.海中生物目撃情報の収集強化(海上保安庁 MICS 情報等複数ソース情報の活用)
6.緊急時の操作(緊急着水の有効性について)
7.水中ソナーの活用※3
8.アンダーウォータースピーカー(UWS)の活用※4
注:1 ノット=1.852km/h


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 <お問い合わせ先>
九州運輸局 海上安全環境部
運航労務監理官 担当:深江、山崎
電話 092-472-3181
FAX 092-472-3305

<2枚目> 


(注 記)
※1.過去5年のジェットフォイル事故について

【九州内】
H24.4.22 鹿児島~宮の浦 負傷者14名(乗客軽傷 10、乗組員 4)、前部水中翼脱落等
H24.6.3 博多~対馬 負傷者なし、前部水中翼アブソーバー(衝撃緩衝装置)伸び
H26.3.18 博多~対馬 負傷者1名(乗客打撲1)前部水中翼アブソーバー伸び
H27.10.11 博多~釜山 負傷者なし、前部水中翼アブソーバー伸び等
H27.10.30 対馬~博多 負傷者なし、後部水中翼亀裂
H28.1.8 釜山~博多 負傷者9名(乗客打撲4・火傷3、乗組員打撲2)、前部水中翼アブソーバー伸び
H28.1.20 釜山~博多 負傷者1名(乗組員右耳裂傷)、前部水中翼アブソーバー伸び

【九州外】
H28.2.6 伊東港~伊豆大島 負傷者2名、船首部損傷
※2.危険海域 海中生物の目撃場所前後5マイル(約 9km)
※3.水中ソナー
 水中で伝播する音波を用いて、航路上の障害物の事前探知による衝突回避を図る設備
※4.アンダーウォータースピーカー
 鯨類が忌避する音声の発射による鯨類の回避行動促進による衝突回避を図る設備

※国土交通省九州運輸局HPより

 ■クジラ衝突対策を要請 高速船運航4社へ、九州運輸局

 
 博多-釜山間の高速船とクジラとみられる海洋生物との衝突事故が相次いだことから九州運輸局は10日、九州で高速船を運航する4社に対し海域や時期に応じて船を減速運転する対策を取るよう文書で要請した。


 高速船は通常時速80キロで運航している。要請内容は(1)クジラの目撃情報がある周辺は65キロで運航(2)クジラの目撃が増える1~4月ごろは74キロ以下へ減速-などの8項目。海上保安庁との情報連携強化や音波探知機の導入なども求めた。


 2015年度は九州で衝突事故が4件発生。減速は一部で既に実施しており博多-釜山の場合、最大10分の遅れが出るという。高速船は対馬-博多や鹿児島-屋久島でも運航している。
(2016年3月10日18時10分)
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