※クリミア半島のセバストポリの場所
【モスクワAFP=時事】ロシア政府は2016年3月9日、軍事目的でイルカ5頭を購入する方針を発表した。米国と旧ソ連は冷戦期、潜水艦や機雷の探知などにイルカを使っていたことが知られており、ロシアも「軍用イルカ」を本格的に復活させる方針だ。
政府サイトに掲載された資料によると、軍が購入を目指すイルカは3~5歳の雄3頭と雌2頭で、「歯が完全で体に欠陥がない」ことが条件。購入予定価格は175万ルーブル(約280万円)で、8月1日までにウクライナ南部クリミア半島のセバストポリへ運ばれる。
(2016年3月9日6:10の記事)
(2016年3月9日6:10の記事)
<軍用イルカについて>
軍用イルカは高度な訓練を受け、軍艦の撃沈を狙った海中機雷や、侵入工作を試みる潜水士などの危険を察知する能力を身につけている。
ノーボスチ通信によると、この軍用イルカについて、「セバストポリの軍用イルカプログラムは保全され、ロシア海軍の利益のために転用される」とし、また、軍用イルカプログラムは、ロシアとウクライナがソ連の一部だった1960年代に発足し、独立後にウクライナが引き継ぎ、ウクライナが同プログラムに旧式の装備を使用し、2014年4月にはイルカ部隊を解散させる予定だったと伝えている。
ウクライナ国防相は、海洋イルカ施設の存在は確認したものの、機密であることを理由に詳細は明らかにしなかった。
海洋生物の軍事利用を巡っては、米海軍もサンディエゴでイルカやアシカに海中の危険物などを探知させる訓練を行っている。
クリミア半島の施設ではイルカのほかに、軍用アシカも飼育されていた。
※参考:CNN、2014年3月28日の記事より