※写真、ポートジャクソンシャーク:forbesより
※写真、実験の様子:smhより
人間にも勇敢な人とそうでない人がいるように、すべてのサメが、獰猛な捕食者であるというわけではありません。
人間のように、サメにも個性があるのです。
シドニーのマクオーリー大学(Macquarie University)の研究者は、南オーストラリアに生息するポートジャクソンシャークについて研究しました。
ポートジャクソンシャークは、ネコザメ目の種類で、長さ1.65m(5フィート)を超えるくらいまで大きくなり、広くて丸い額とベルトに似た茶色の体の独特な模様をしています。
このサメは、海底に生息し、夜行性のハンターで、変わった歯のおかげで、ウニや硬い餌を食べることが出来ます。
有名なホホジロザメと違って、尖ったギザギザの歯は持ち合わせていません。
その代わりに、ポートジャクソンシャークには、前方に小さく尖った歯と幅広い平たい歯が口の後方まであります。
ポートジャクソンシャークの学名:Heterodontus portusjacksoniは、変わった歯という意味も含んで名付けられています。
魚類ジャーナル誌、the Journal of Fish Biologyの発表によると、オーストラリアの生物学者は、17匹のポートジャクソンシャークを新しい水槽に入れてその行動を観察しました。
サメがシェルターから出るまでに、どれだけ新しい環境で探検し、危機察知するか、その時間を計りました。
この実験は、危険を冒してまでの意欲、大胆さを計測するというもので、結果はほぼ一貫していました。
この実験において、早く出てくるサメは、後の実験においても早く出てきました。
また、研究者は、サメが水槽から水槽へ移動する間、水が少なくなるというストレスのある状況において、いかにサメが上手く対処できたのかも記録しました。
ひどくストレスを受けたサメは、後の実験でも、同じ行動を見せる傾向がありました。
研究を指揮したCulum Brown博士によると、我々の個性は、遺伝子と過去の経験によって形作られると言います。
同じことが、サメにも当てはまり、ポートジャクソンシャークは、人間には無害ですが、遭遇したときの反応は彼らの個性により異なります。
それぞれのサメに個性があり、人とサメが遭遇した時、個体によって異なった反応をすることが、この実験から推測できるのです。
英文:JV Chamary氏(科学ジャーナリスト)
(2016年5月28日forbesの記事翻訳)
※forbesより
※参考:
・Macquarie University HP
・実験動画、Sydney Morning Herald、smh