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東日本大震災で被災した店などが入る宮城県気仙沼市の仮設商店街で、初売りが行われました。この商店街はことしで入居期限を迎えるため、2日が最後の初売りとなります。
売りが行われたのは53店舗が入居する気仙沼市の仮設商店街「南町紫市場」です。はじめに新年を祝って縁起物の餅がまかれ、家族連れなどが歓声を上げながら餅を拾い、商店街に久しぶりに活気が戻りました。訪れた人たちは店舗を回り、飲食店で地元の魚で握ったすしを食べたり、総菜の店で揚げたてのコロッケを買ったりしていました。
南町紫市場は、ことし10月末で入居期限を迎えるため、2日が最後の初売りとなります。商店街によりますと、入居する53店舗のうち70%近くに当たる35の店では、移転先がまだ決まっていないということです。
気仙沼市に家族で帰省していた40代の男性は「商店街がなくなるのは残念だが、復興に向けてということで前向きに考えていきたい」と話していました。
また、この商店街でサメに関連した商品を販売している熊谷牧子さんは「1年の始めということで気持ちを新たに頑張っていきたい。移転先がまだ決まらず不安でいっぱいだが、一日一日を大切に続けていきたい」と話していました。
■仮設で営業の店舗 3割が再建未定
宮城県は震災後に国が整備した県内12の市と町にある仮設商店街などの527の事業者を対象に、再建の状況や意向などについて調査しました。
それによりますと、去年10月の時点で再建した事業者は86、廃業などで退去した事業者が55で、全体の70%余りに当たる386の事業者が仮設の店舗で営業を続けています。
仮設で営業を続ける店舗に今後の意向を尋ねたところ、257の事業者が再建の意思を示しましたが、全体の30%に当たる117の事業所は、再建するかどうかも決まっていなかったということです。
仮設の店舗の撤去費用については5年以内に撤去する場合、原則として国が全額負担することになっていて、来年度期限を迎える商店街も少なくありません。
宮城県商工経営支援課は「かさ上げ工事などによる土地の整備の遅れや、経営者の高齢化などで事業の見通しを立てられないケースが多い。引き続き再建に向けた支援を続けたい」と話しています。
※NHK NEWS WEBより
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